題材は確率です。今回の問題は入試問題として出題されるには単純な問題ですが、煩雑な確率問題の中で頻繁に要求される余事象という考え方なので、確実に解けるようにしましょう。
このレベルの問題は最終的には1-2分程度で解けるようになってほしいです。
1つのサイコロを5回投げるとき、以下の確率を求めよ。
(1)出る目の最小値が3である確率
(2)出る目の最小値が1で、なおかつ最大値が6である確率
それでは(1)から考えていきましょう。
サイコロを5回投げるという状況を書き出して考えるのは現実的ではないので、数え上げではなく計算で求める方法を考えていきます。
サイコロを5回投げて最小値が3であるとはどういう状況でしょうか。実験していきます。
(3,4,5,2,5) (1,3,5,6,4) (3,5,6,6,4) (3,5,3,6,5) (6,4,6,5,5)
この中で条件を満たすものはどれでしょうか。それは当然(3,5,6,6,4)と(3,5,3,6,5)です。
ではなぜ他の3つは当てはまらないのでしょうか。
(3,4,5,2,5)と(1,3,5,6,4)に関しては最小値が3より小さいです。また、(6,4,6,5,5)に関しては最小値が3より大きくなっています。
ここまで実験してもここからの発想は少し難しいと思います。ここで必要になってくるのが余事象という考え方です。余事象の考え方は
というものです。一見当たり前のように感じますが、これが非常に強力なのです。
余事象の意味としては求める事象が起こらない確率が簡単に求まる場合、求める事象の確率も簡単に求まるということです。
また全体の確率はその都度どこを全体として考えるかで変わります。
それでは問題に戻ります。
今回出る目の最小値が3である確率が、サイコロの目のうち3,4,5,6しか出ない状況から4,5,6しか出ない状況を除いた確率ということに気づけるかがポイントでした。
と分かります。計算結果からも余事象前提の問題だということが伝わると思います。
求める確率は全体の確率1から最小値が2以下の場合と最小値が4以上の場合を引けばいいと考える人がいます。これは正しい考えです。しかし、
と計算してしまうとこれは間違いです。
なぜなら、この式の2項と3項はそれぞれ(1,2)しか出ていない場合と(4,5,6)しか出ていな場合のみの確率を表しているからです。
さらに言うと最小値が2以下の場合と最小値が4以上の場合というのは問題の「最小値が3」より求めるものが多く難しい問題のように感じます。つまり、問題を解く過程で問題を解く以上のことをする必要が出てきているのです。
このような間違いには注意していきましょう。
次に(2)について考えていきましょう。
出る目の最小値が1で、なおかつ最大値が6である確率も(1)と同様に計算で求めたいので余事象で考えてみましょう。最小値が1でなおかつ最大値が6である確率の余事象は最小値が1でないまたは最大値が6でないです。
最大値が6でない場合の確率も同様です。では求める確率は
になるでしょうか。答えは違います。
なぜなら、最大値が6でなくかつ最小値が1でない場合を2重に引いてしまっているからです。
つまり(2,3,4,5)しか出ていない場合の確率を足さなくてはならないのです。よって答えは
になります。
確率は複雑な問題になればなるほど状況整理が難しく、一見独立している事象が実は重複していることもあります。頭の中だけで考えるのではなく、自分で書いて整理して状況を整理することをお勧めします。
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